Ｎｏ，111　平成17年6月20日(月)

■鶏の習性■　　総　務　松井　正

鶏を囲いのない敷地内で平飼（ひらがい）＝放し飼いをし始めて3年余になります（当紙77号［平成14･8･20　発行］に、その頃感じたことを書きました）。 　今は16羽ですが、既に20羽以上がいたちに殺されました。しかしあくまで趣味なので、産む卵も市価の何倍についてもコストは考えない飼育です。ただ、卵は有精卵であるのと新鮮なので白身、黄身がぷりぷりしていて差し上げた人は喜んでくれます。こうして飼育し観察していると、鶏の習性がいろいろ分かりました。 　我が家の雌鳥が一羽いなくなったと思っていたら縁の下の奥にいることが判明、ある朝、ひよこ1匹を従え外に出てきた。卵よりは少し大きくなった黄色のひよこが親の後をヒョコヒョコつける姿の可愛いこと。ひよこが卵から孵（かえ）るには親が卵を抱き続けるか、孵卵機で38.5℃で温めるか（いずれも卵の種類を問わず20日間）の2通り。当家で親が孵したのは初めて。親はひっきりなしにクッークーと鳴き続け、自分の位置をひよこに伝え、ひよこもピーピーと鳴きっぱなし。かえって4〜5日は親子の距離は1m以上に離れない。どんな草むらの中でもひよこはひたすら草を飛び越えくぐり、親のあとを追います。1週間くらいすると2〜5m離れることがありますが、ひよこがひとたびピッーと鳴くと、親は身を翻し飛んでいきます。ひよこを私が捕まえようとすると親は体当たりして威嚇します。 　孵卵機で孵って親を全く知らない、親の庇護を受けたことのない雌の鶏がどうしてこのように子どもを護る本能をもっているのかほんとうに不思議です。一方、雛が親のあとをどんなに追っていても他の鳥は一切無関心です。守る気配は全くありません。 　鶏のパン好きは殊のほかですが、ちぎって与えると素早く取るのと、いつも食いはぐれるのとがいます。素早さが生まれながらに違います。また我が家の鶏は魚のはらわたやあら等の炊いたものも大好きです。大概の骨でも砕いて食べます。だから卵がうまいのかも知れません。 　先住鶏のいる所へ、新しい成鶏やひよこを放つと先住鶏は猛烈な勢いで追いかけ回し、襲いかかります。テリトリーを荒らされまいと思うのでしょう。弱い鶏は殺されます。それを防ぐには新入りの鶏は小屋の中に入れて、先住鶏にさらしておきます。先住鶏は小屋の中にいる新入りを見ては自分たちはこのように自由に外を遊べるのを得意がります。4〜7日たってから小屋の扉を開け、新入りを放してやると、もう先住鶏は襲いかかりません。しかし、餌場では新入りは追っ払われますので先住鶏が食べて去った後でないと餌にありつけません。観察記はきりがありません。今回はこれにて。

■託児室に勤めて■　　保育士　Y・S

あじさいの花が鮮やかに咲き、やがて梅雨の季節になります。 　この4月から託児室で保育士としてお世話になり3ヶ月が過ぎようとしてます。最初は子どもたちに慣れるのに時間がかかり、「おいでー」と言っても来てくれなかったり、オムツ替えをすると嫌がる子もいましたが、最近、ようやく来てくれるようになりました。 　託児室の子ども達を見ていると自分の子もこんなに可愛い時があったんだなあと思いながら、自分の子育てのときは必死で余裕もなかったようです。あの時こうしていればよかったなと反省することばかりですが、まだまだ先の長い子育てをこれからも頑張ろうと思います。 　最近、知人から戴いた「子供が育つ魔法の言葉」というドロシー・ロー・ノルト著の中に、“子供はいつも親の姿を見ています。ああしなさい、こうしなさいという言葉よりも、親のありままの姿の方をよく覚えています。親の姿が手本として、子供に生涯影響力を持ち続けることになるのです。子供は個性豊かです。自由で発想豊かです。そんな子供の心を知れば、私たち親も子供と共に成長し、学ぶことができるのです。”と書いてありました。 　私自身も親として、保育士としてこのことを心にとめながら仕事に取り組みたいと思います。