やはり“暑さ寒さも彼岸まで”、きびしかった残暑もようやく去り、朝晩は随分涼しく、蝉に代わって鳴く虫の音にほっとする今日この頃です。
それにしても今年は早くから夏日となり、長い期間暑く、台風の上陸や豪雨による被害など記録ずくめでした。喜ばしい記録の数々はオリンピック。期待通りの結果、不本意な結果に一喜一憂しつつも選手の姿に多くの感動と勇気とさわやかな気持ちを与えられ、あらためてスポーツのすばらしさを感じました。
一方、乳幼児虐待や凶悪な事件がひきもきらず、報道されない日がないほど。“またか!”と思いながら、日常茶飯事化し、感覚が麻痺してしまうのではと恐ろしさを覚えます。6千円を盗みさらに命を奪ったという事件もありました。人の命がどんどん軽くなってきているように思えてなりません。
我家では昨年から普通の鶏と烏骨鶏を飼い、日中は小屋から出して(草花の被害には多少目をつぶって)やるとエサをねだって後を追うほどになつきました。それが昨年8月には2羽、今年6月には1羽、そしてつい先日は1羽が(近くの山の狸かテンかイタチか)何者かにやられてしまいました。洋服を着せ美容院に連れて行くという人並みに犬を飼っている方に比べ、あくまでも動物は動物という飼い方ですが、それでもいなくなると気持ちが滅入り悲しいものです。だから何の理由もなく勝手な理屈で短絡的に人の命を奪う現象は良き日本人の心を忘れたヒトなのでしょうか。
小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン-明治23年来日)などの外国人の目から見た日本人は礼儀正しく勤勉で自然と共に生きる素晴らしい民族だったようです。欧米に追いつくために効率、合理性を優先させた結果、長い歴史の中で築き上げてきた固有の文化や心情を切り捨ててしまったように思えます。多くの芸術面で世界で活躍している日本人には日本固有の文化の輸出の役割をになって欲しいものです。
芸術の秋です。先ずは身近なことから鈍化した感覚を研ぎ澄まし、虫の音色を聞き分け、ききなしをしてみるのもよい季節です。心豊かな日々を送りたいものです。 |
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