No,96 平成16年3月18日(木)

 院長は去る2月26日(木)午後、若狭東高校視聴覚室において嶺南一円の県立学校保健体育の先生40数名に「最近の婦人科の話題」と題して講演を行ないました。既に院長はこの3年間に若狭三高校の生徒さんに性感染症についての講演を行ないましたが、学校の先生対象は初めてのことでした。8割以上が男の先生なので婦人科の問題については少し戸惑われたようでした。

■特集■ 「最近の婦人科の話題」  院長 中山 茂樹

 婦人科で妊娠以外の体の不調で診察に来られる原因には、大きく分けると五つのタイプがあります。それは
1)下腹痛   2)生理痛   3)帯下(たいげ)   4)不正性器出血
5)無月経  など。

 1)の痛みの箇所は腸、盲腸、膀胱、腎、子宮、卵管、卵巣などがありますので簡単に痛み止めの薬を飲むのはよくありません。例えば前の夜から腹痛があって内科を受診して痛み止めの薬を飲んだのだが痛みがとれない、というので来診された18歳の方がありましたが、原因はクラミジア性卵管炎でした。また18歳の方で下腹痛で来られたのは加えて左卵巣膿腫がありました。20歳で激しい下腹部及び腰痛で来られた方の場合は月経前緊張症でした。こういう時、痛み止めの薬を飲んでいると治療に支障をきたします。

 2)の場合、生理痛と思っても腸炎、虫垂炎、卵管炎、卵巣膿腫茎陰転、膀胱炎、流産など色々あります。17歳の方でしたが、普段は生理痛はないのに今回はひどい、と言って来られたのはタンポンの抜き忘れで、クラミジアもあって、放っておけば腹膜炎になるところでした。

 3)の帯下(おりもの)。どんなおりものか、を見極めないといけません。膣炎、性感染症、不正性器出血など、原因によって当然治療が異なります。おりものは3〜4歳の子でもありえます。20歳で黄色のおりものが多いし臭いがきついと言ってこられた方の場合は雑菌による膣炎でした。

4)の不正性器出血。原因には子宮内膜症、子宮ガン、これは若年性も増えています。頸管ポリープ、膣炎、ホルモン異常などがあります。20歳の方で少量の不正出血が続くと言って来られた方は3週間前に中絶されたので原因は排卵期出血でした。

5)の無月経で心配される方がよくいらっしゃいます。無月経には大きく分けて2型があります。原発性と続発性です。前者は中学までは様子を見ていて、高校になれば婦人科に相談されればいいと思います。高校になっても無月経の場合には卵巣に原因があるもの、肥満、多毛性によるもの、先天的に卵巣の壁が厚いためのものなどあり、生理があっても排卵のないものもありますので、やはり診察が必要です。

 後者の続発性というのは今まであった月経が急に止まる場合で、妊娠、ホルモン異常、精神的ストレス(それから来るホルモン異常)、下垂体機能不全、糖尿病、甲状腺機能異常、卵巣腫瘍等があります。

 高校生の場合には拒食症などが原因で月経が急に止まることがあります。

 妊娠の場合を除いて3ヶ月生理が来ない時はやはり婦人科に相談される方がよろしいと思います。

 以上、婦人科に関わる症状や原因などをお話ししましたが、思春期での妊娠にはいろいろあります。例えば、1つ、16歳で中絶を希望して来られましたが、パピローマウイルス感染症がありました。このままでは子宮ガン発症の恐れがありましたが、家へは電話ができない、ということでした。こういう場合、医師としてどうすればいいか最も悩む時です。2つ目、17歳で男性も未成年、両親には内緒で中絶を希望、親族の同意書がないといけない、というと、姉が出て来ました。違法ではないのですが、一件落着ではありません。3つ目、17歳で男性は40歳以上、両親に反対されたのでということで、これは簡単に賛成出来ませんですよね。4つ目、こちらも17歳で男性と分かれてから妊娠に気づいた例。その他、男性が既婚者だったりして、結婚が叶わないなどで中絶される方がよくいらっしゃいますが、心身の苦痛と経済的損失、不幸な中絶は女性側だけが損をする典型的な出来事と言えます。

 高校生の皆さんにはそのあたりをよくご指導していただければありがたいことと思っています。

あとがき
1) 1月より、当院独自のエアロビ教室(マタニティビクス、アフタービクス、ベビービクス)はこれまでの清水優子インストラクター(福井市)から清水千賀子インストラクター(上中町在住)に代わりました。清水千賀子さんは大阪で多くの教室で実務を重ねられたベテランです。これを機に参加しようと思われる方は受付または看護師までどうぞ。
2) 待合室のミニ・ギャラリーは目下、成瀬菊夫さん(小浜市国分)の花を主とした水彩画(絵手紙風)です。この絵や写真などでこの壁面に展示して下さる人はお申し出下さい。
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