高校3年ともなると性体験は40%あるとか言われていますが、性感染症の怖さを知って、良い高校生活を送ることに役だってもらえれば幸いです。
そもそも妊娠とは女性の子宮の中の卵子へ、性行為により男子の精子が潜り込み受精することで、約10ヶ月で約50cm、3Kgの赤ちゃんに成長することを言います。高校生の結婚が一概に悪いとは言いませんが、赤ちゃんができたら産む、という決意がないのに妊娠させては、或いは妊娠してはいけません。できたらおろせばいいという考えはよくありません。
10年、20年の結婚生活が送れるかどうか、という観点で結婚を考え、妊娠を考えるべきです。誤った性行為で不幸な妊娠をすることのないよう、せっかく授かった命をおろす事態が起きないよう、高校生でも避妊については知っておかねばならない時代になっているといえます。
避妊法には、基本的にコンドーム、ピル、基礎体温法などがありますが、自分に合った方法を選ぶことです。今日は避妊の話には触れません。
それよりも今日は皆さんに、安易な性行為により不幸な妊娠よりももっと怖い性感染症にかかる恐れがあることをお話したいと思います。
性感染症と言われるものには、@エイズ、A淋菌感染症(淋病)、B性器クラミジア感染症、C性器ヘルペス感染症、D尖形コンジローム、Eトリコモナス症、F梅毒、G性器カンジタ症、H毛じらみ、I疥癬、JB型肝炎などがあります。
(これらの疾病による陰部の症状をカラーで詳細に大スクリーンに写し出しながら、身体の症状、及びその治療法などを説明する。) |
エイズはここ半世紀ほどの間に先進国に発現したものですが、感染してから2〜3週間で風邪のような症状が現れるが殆どは感染したとは分からない。そのまま数ヶ月か15年も過ぎ、発熱、下痢、体重減少などの初期症状が出て、その後、肺炎や肉腫になり、脳が侵され、普通ではかからない病気にかかり死にます。
次いで、淋病について言えば、感染後、1週間以内に発病、男性では尿道口がただれ膿が出たり、排尿時に激しい痛みを感じたり、女性では膣から黄色のおりものが出たり外陰部が赤くただれたり、喉や目に感染すると咽頭炎や失明することもあります。 |

↑院長の若高での講演 |
性器クラミジアは現在最も多い、性感染症です。性器がかゆくなったり、腫れてきたりしたら、すぐ産婦人科か、泌尿器科にかかって下さい。
近年は非常にかかる率は少ない病気ですが、梅毒は陰部や口から、時にはお母さんの体内で赤ちゃんが感染します。1期から4期に分けられ、1期では菌が侵入した部分が固くなり、2期では全身に菌が分布して発疹ができ、3期では皮膚、内蔵、骨がボロボロになり、4期では体がしびれ、痴呆症になり、死に至ります。コロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち込み、世界中に広がったものと言われています。B型肝炎といわれるものは感染すると体がだるくなり、食欲が低下し発熱します。治癒してもウイルスが肝臓に住み続け、感染力が持続する人(キャリア)がいます。この場合、慢性肝炎と呼ばれ肝硬変や肝ガンになることがあります。血液や精液やその人の歯ブラシを介してうつることがありますが、性感染症の中では唯一予防接種があります。(その他の性感染症についての一々の説明は省略)
さて、これらの性感染症にかからないためには、1)セックスの際には初めから必ずコンドームを使用すること。 2)不特定多数とセックスしない。 3)体は清潔に、汚れた手で陰部に触れない。 4)オーラルセックスはしない、ということになりましょうか。
ところで本日の講演の目的は、出会系サイトでの不純異性交友を戒めることにありました。なぜそれを戒めるか。言うまでもありませんね。今までお話した性感染症の怖さがあるから、さらに不幸な妊娠を招くことがあるからです。では、その病気がなければ、あるいは妊娠しなければいいのか、とも言えません。その理由は皆さんで考えてみて下さい。 |