No,86 平成15年5月20日(火)

■国際化の中で■  小児科医師 中山 真里子
 目に青葉、緑の美しい季節となりました。その上、五月晴れと望みたいところですが(そうは問屋が卸さない)、好天長続きせず、5月半ばに6月下旬か7月初旬の気温の日があったかと思うと、3月下旬から4月上旬の気温の日と、変動が激しく、体調を崩しやすい天候が続いています。皆様、風邪などひいていらっしゃいませんか。

 一口に緑といっても木によって様々で、こんなに沢山の色目があったのかしらと自然の妙にあらためて感動しています。そしてその色名の趣のあること、若緑、萌葱(もえぎ)、若草色、若竹色、鶯、鶸(ひわ)色、麹塵(きくじん)裏葉、若苗(わかなえ)色、苔色、柳茶、青竹色、海松(みる)色、松葉色、木賊(とくさ)など、素敵な名前が並び心豊かになります。

 さて、国際化が言われる昨今、国外から入ってくる好ましくない犯罪や感染症もその例外ではないようです。良い意味では地球は一つを実感したいのですが“悪事千里を走る”の譬えもあるように、いよいよSARS(重症急性呼吸器症候群=新型肺炎)もいつ国内に入ることやら、その影響の大きさは計り知れなく、一日も早い終息を祈るばかりです。

 四方を海に囲まれた島国の日本はこれまで余り考えなくてもよかったことに新たな対応が迫られ、私たちもその意識を変える必要がありそうです。(が、国民性なのか、なかなか難しそうです。)

 国際化にあたっては個人においても国においてもお互いに違いを認め尊重する事が第一歩だと思います。その前に己を知って自信と誇りを持つことが必要ですが、残念ながら日本の伝統文化、学問、研究、芸術、工芸など、外国で評価られてから日本で脚光を浴びることが多く、反省させられます。

 もっと日本の文化を知りたいと思っていますが、本屋では最近、日本語を見直す本がよく売れているようです。お互いに理解を深めるのにはコミュニケーションが大事ですが、メールなどの便利な手段の出現で、直接目を見ての会話が苦手な人が増えているのではないでしょうか。「声に出して読みたい日本語」の本には元気が出たり、楽しくなる言葉が沢山あります。その言葉自体は意味のない付けたし言葉でも、覚えて使うと会話もはずみ楽しくなること請け合いです(この場合は“合点承知のすけ”と受けるのでしょうね)。

 皆様も親指の運動ばかりでなく大きく口を開けて是非、会話を楽しんで下さい。(そうはイカのコンコンチキですか。)

■17年目のこんにちは■  小浜  尾嵜 智子
 私達夫婦は1986年、今から17年前に結婚しました。まさかその時から、不妊生活が始まるとは思いもせず・・・。

 楽しい新婚生活も5年目を迎える頃には、不妊を意識し始め、病院へ。しかし、先が見えない不安と焦りで毎日イライラ、ピリピリしていました。そして、妊娠などには縁がないまま、8年が過ぎていきました。その長い8年が不妊生活の中間地点であることはその時知る由もありません。

 結婚10年目を迎える頃には、妊娠を諦める相談を主人にしました。割り切ったつもりでも頭の片隅には“妊娠”の二文字が浮かんでは消え、浮かんでは消え、浮かんでは、浮かんでは・・・消えませんでした。悩み、悲しみ、気が狂わんばかりに思いつめました。

 不妊の人がよく他の人から「悩むな」「思いつめるな」といった言葉をかけられると思いますがそんなことは無理です。16年経験した私にはよく分かります。悩みますし、思いつめます。しかし、悩んだ分、何か前に進まないと悔しいじゃないですか!私は主人と二人の生活を子どもがいる方達より楽しい家庭にしようと思い始め、実行してきました。

 昨年、私は会社を辞め、主人と旅行三昧の計画を立てました。すると何が起こったのか、生理が遅れ、私は38歳で閉経したのかと思い込み、慌てて病院へ。なんと閉経ではなく妊娠だったのです。

 妊娠したものの、この年で産めるだろうか?育てられるだろうか?と不安ながらも“子どもができた々々”と子どものようにはしゃぐ主人を見ていると前向きに進むしかありませんでした。

 今、不妊で悩んでおられる方々も16年目に妊娠した人がいるという事実があるのですから、希望をもって頂きたく思います。

 最後に、16年間、子どもが欲しかったにも関わらず、そのことを一切口に出さなかった主人に感謝しつつ、これからは子育てに励もうと思っています。

 17年目に顔を見せてくれた赤ちゃん、こんにちは。どうぞよろしく!

 あとがき    
1)当院待合室ミニギャラリーの辻 家晴さん(小浜市山手)の船舶のペン画は5月に差し替え、今月中です。

2)真里子Dr.の文にあるSARSは歴史に残る流行病です。大いに注目していましょう。
☆この4月からJR小浜線を電車が走るようになりました。当院の託児所の庭に接して架線の下を電車が走っております。(右写真)
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