桜の開花が早かった今年は、五月晴れの日が少なく、早くも梅雨入りと思われるような空模様が続いています。遠足シーズンで気が揉めますね。雨に濡れ、より色鮮やかになった緑を楽しむこととしましょう。
いよいよ日韓共催のサッカーワールドカップの開幕まであとわずかとなりました。日本代表23人の顔ぶれも発表され気分が一挙に盛り上がります。選手の選考には異論もあるかも知れませんが、トルシェ監督を信頼して選手が一丸となって力を出し切る試合を期待したいものです。これを機にこれまで近くて遠かった日韓の交流が進むことは喜ばしいことですね。
そもそも私達日本人はその文化を中国、韓国のそれをお手本として発展させてきました。漢字、箸などの共通の物も数多く、日々その恩恵に与っています。この交流はむしろ遅きに失した感すらあります。文化的兄弟である韓国との過去の不幸な時代は二度と繰り返さないよう正しく、しっかり歴史を伝える必要がありますね。
そんな中、NHKのTVドラマ「聖徳太子」では渡来した大和人が自在に韓国語(新羅[シラギ]、百済[クダラ]のことば)を操り、その政治にも深く関わっていた様子が描かれ、とても興味を魅かれ改めて古くからの両国関係を思い知りました。(決してハンサムなモッくんばかりを見ていたわけではありません。)
時代は下りますが茶道の方でも大いに影響を受け、抹茶茶碗など、それまで唐物中心の“書院の茶”であったものから、利休の大成した“草庵の茶”では朝鮮半島の陶器が珍重されるようになりました。秀吉の朝鮮半島出兵は焼物戦争ともいわれ、多くの陶工達が日本に連れて来られ、戦国大名の庇護の下、各地で朝鮮風の窯が築かれ焼物が始められました。萩焼きしかり、唐津焼きしかり。元々は朝鮮の雑器だった器を抹茶茶碗に見立てた日本人(当時の茶人)の美意識に改めて感服します。
唐物には凛とした端正な美しさがありますが、土の匂いのする、暖か味のある朝鮮の器(李朝)が私は大好きです。青磁、白磁、染付けの全てにおいて唐物とは異なり、柔らかさがあり、完璧を嫌い、欠けたるをよしとする茶人の心を捉えたのでしょう。将来、ぜひ韓国へ窯跡などを訪ねる旅をしたいと願いつつ、この原稿をようやく書き終えたので、好みのお茶碗で一服することとします。
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