No,59 平成13年2月16日(金)

■趣味を楽しみに生きる■   小児科医師 中山 真里子
 2001年も1ヶ月半が過ぎました。

 皆様、元気に21世紀のスタートが切れましたでしょうか。

 例年、インフルエンザが猛威をふるう時期ですが今冬は大きな流行もなく、喜ばしいことです。日常生活の足も乱れるほどのまとまった雪が降ったお陰かなと思うと雪も不便なことばかりではなかったようですね。

 さて、昨年末より暗いニュースが続いています。乳幼児の虐待・傷害事件、又一方ではKSD問題や国の機密費横領事件、つい最近ではアメリカの原潜が日本の水産高校実習船を沈没させた事故など、一体みんな何考えてんのと叫びたくなる出来事が一杯です。こと政治に関してなら、国によっては暴動が起きそうなことなのに、日本人は辛抱強いのでしょうか。
 
 こんな大きなことではなくても人間はみんなストレスをかかえながら生きていてそれがエネルギーになることも多いようです。私の場合は以前(No.33平成10.12)にも書きましたが、外に出かけることがストレスの解消になっているのですが、冬の天候では思うように出かけられず、春を心待ちにするばかりです。

 それに引き比べ義母は趣味人で特に日本画に造詣が深い。当院のミニギャラリー(平成8年12月から翌2月の間)でもご覧頂いたかとも思いますが、昨年、念願の個展を大津で開きました。一昨年は心筋梗塞でバイパス手術を受け、九死に一生を得ながらもどうしても個展を開きたいという一つの目標と持ち前のバイタリティで目覚しい回復を見せてくれました。”個展、個展と言ってコテンと往くなよ”と義父に励まされ?ながら個展前後2度も救急車で入院するという騒ぎに、周囲に多少あきれられながらも母は個展に出す作品を仕上げました。それまでも多くの展覧会に入賞したりして素人のお遊びを超えたその絵は母の人柄通り、優しさにあふれた上に高い技術をもって人を魅きつける、ただただ感心するばかりです。

 手術の後、”そのまま死んでも何も思い残すことはなかったし、ちっとも恐くなかったよ”と語った母。”あと5年は大丈夫と太鼓判を押して頂いたのよ”と言いながら作品の仕上げに熱中していたと聞かされて、全く頭が下がりました。

 趣味を楽しみに生きる、ストレスをエネルギーに変えて生きる、そのような豊かな生き方をしていきたいものです。

■母になって分かった■  保母 A・O
 前回このスマイルタイムズに載せて頂いた時からもう5年になろうとしています。本当に月日の経つのは早いものです。

 ”オギャー”と元気な産声を上げ!一人歩きが出来!喃語が言えるようになり!沢山の言葉が話せるようになり!お友達が出来!保育園!小学校!中学校!と行くようになった4人の子供達。ここまで来るのに無我夢中で育ててきたような気がします。その長男が現在高校受験を迎えようとしています。残りの日数もあと20日余り。初めての受験で親の方が毎日緊張の連続です。そんな親の気持ち子知らずというかのように長男はのんびりと構え弟達と遊んだりテレビを見たり・・・。「ちゃんと勉強しなよ」と毎日のように言いたいこの気持ち!今やっと、受験生を持つ親の気持ちを痛感しました。私の母親が「子供ができたら親の気持ちが痛いほどよく分かるようになる」と言った言葉が響いてくるようです。この気持ちをこれから後3人の子供達にも味合わされるのかと思うと心がすごく痛くなります。

 でも親としては、子供がひたすら頑張って自分の選んだ高校に入れるよう祈るばかりです。頑張れ!             
                     

 第27回 当院ミニギャラリー(特別展3点)
梅本博子さんの大刺繍(右写真 90×155p
滋賀県作家協会会長  滋賀県工芸美術協会会員  群展、勤労者展審査員  京都華頂短大非常勤講師  全国手工芸展文部大臣賞  滋賀県美術展特選(5回)  大津市美術展特選(5回)  滋賀県美術展工芸の部無鑑査  大津市美術展工芸の部無鑑査個展、2人展、4人展等、多数。
1918(大正7)年 東京生まれ
院長のご母堂様のご縁で借用、展示しています。
2月8〜3月24日。途中で一部差し替えます。

 あ と が き
1) 上欄で記しましたように当院ミニギャラリーは前回の故野坂萌氏の日本画の後、梅本博子さんの刺繍です。一口に刺繍といってもこんな大作があったのかと感心されることでしょう。

2) 当紙、冒頭の真里子Dr.の文のように今冬はかなりの積雪があり業者の除雪は追いつかず皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
閉じる