No,55 平成12年10月14日(土)

■Only oneの生き方■  小児科医師 中山 真里子
 10月に入ってからも日中汗ばむ陽気に驚きましたが朝晩は涼しくなり、夜の月の美しさに秋を感じる今日この頃です。

 今世紀最後のシドニー五輪は女性選手の活躍が目立ち日本中にさわやかな感動を残してくれました。以前のような悲壮感がなくなり、プレッシャーをものともせず、むしろ、競技を楽しむといった笑顔ばかり。そこに至るまでには血のにじむような努力、厳しい練習があった筈なのにそんなことを全く感じさせない姿に敬意を覚えます。イメージトレーニング、リラックスなどにより競技でナンバーワンを目指す時、それは Only one(オンリーワン)=この世に唯一人の自分の証、を目指すことでもあり、その結果自分の能力を最大限に引き出せるのではないか、と思い、それは日常の私たちの生き方にも取り入れられたらいいのにと思います。

 さて、出生率の低下が叫ばれて久しくなりますが一方で乳幼児虐待での死亡のニュースも増え、胸が痛みます。夫婦10組に1組は不妊に悩んでいると言われているのに、折角授かった生命を奪う人がいるなんて神様はなんて不公平なのでしょうと思わずにいられません。今の人は“子供は天から授かるもの”から“自分で造るもの”に意識が変わり、何でも自分(親)の思い通りになるという勘違いをし始めたのでしょうか。経済的な理由によるものは昔もあったでしょうが、最近は子供が少なく閉塞した養育環境も関係しているのではないかと思います。

 子供は生まれたときから個性を持った一個の人間なのに平均像を記述した育児書に書いてある通りでないと不安になったりするお母さんがいらっしゃるようです。しかし私だって、もし、仕事をせずずっと子供と二人っきりで家にこもっていたら子供に振り回され、時間だけが過ぎても家の中は散らかったまま、何もできないまま空しく一日が終わる。それなのにまた子供が泣く、言うことを聞かないといった状況が続けば子供の虐待につながるかもしれないな、とそんな親の心理状態に思い当たることもあります。

 21世紀を担う子供たち誰もが心身共に健やかで、Only one として生きて行けるよう願うばかりです。

■小さい頃からの夢■  保母 常田 千恵
 当院で仕事をさせて頂くようになって半年が過ぎました。やっと一日の生活に慣れてはきましたがまだまだ迷惑をかけっぱなしの毎日を送っています。

 私が小さかった頃の夢、それは「保母さん」でした。母が保母をしているせいか、いつしか大きくなったら保母さんになりたいと心に決めていました。念願かなって去年一年間は保育所で働いていました。20人の2歳児を3人の保育士で受け持っていましたが、ほとんどの子供がまだおむつがとれてないので本当に大忙しの毎日でした。あまりの忙しさでつい子供のことよりも自分の都合に合わせて動いてしまう事があり、いつも後で反省してばかりでした。

 そんな子供たちでもたった一年の間に“こんなにも変わるんだな”と思うほど成長し、しかっりした姿を見てビックリもしましたし、とても嬉しかった事を覚えています。

 こちらの託児室では去年の反省を教訓として子供たち一人一人にゆっくり気持ちを受け入れるよう接し、時には厳しくても、明るく優しい保母さんで頑張って行きたいと思います。

あ と が き
1)下の2葉の写真のように若狭高校の商業科と情報処理科の生徒さんが1日保母さんを実習。当院職員の恒例の1泊旅行が終わりました。

2)来院の皆様にお楽しみ頂いている当院のミニギャラリー第24回は9月中旬から三方町三方の 多田キク子さん の油絵を展示しています。

3)9月27〜28日、若狭高校の生徒さん計7名が当院託児室でインターンシップとして実習を行われました。
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