No,52 平成12年7月15日(土)

■あせも→イライラ→クーラー→慣れ 文明の利器はありがたいが■
小児科医師 中山 真里子
 梅雨明けも間近かなようです。今年は梅雨空が長続きせず、6月下旬から暑い日が多く、いよいよこれから夏本番という実感がわきません。何年か前のように水不足が心配ですね。

 日中ほとんどクーラーの中にいる私は、休日家で過ごしたらあせもができ、普段いかに汗をかいていないか思い知らされました。子供の頃はもちろんクラーなどなく、どうやって過ごしていたのでしょう。なかなか起きられなかったラジオ体操、近在の農家のおばさんがリヤカーで売りに来る桃や瓜が楽しみだったことは思い出しましたが、自分のあせもは憶えていません。甘酸っぱい汗の臭いをさせ、頭、首などにたくさんのあせもをぽりぽり掻いていた弟の姿は思い出します。そしてイライラ度が増しているところにちょっとした事がきっかけできょうだい喧嘩になったりしたことも思い出しました。

 しかし、今や、暑さを我慢する必要がなくなったありがたさ、クーラー無しの生活はもはや考えられなくなりました。衣食住も満ち足りてきて、何も我慢する事が、必要が、ない時代になりました。最近増えているすぐ切れる子はこんな時代背景、社会が生みだしたのかも知れません。“忍耐”という言葉はすでに死語となってしまったのでしょうか。

 などと考えながらこの夏はかけがえのない地球のために多少の暑さは我慢しては、と思ってみたものの、そうすると不快指数の高い日本の夏、よけいイライラして息子を叱らずに、“我慢しなさい”と怒ってしまい、ますます暑くなるという悪循環に陥ち入りそうです。

 猛暑の感のある今夏、どうやって乗りきりましょうか。皆様もどうか、夏バテなどなさらないで、うまくお過ごし下さい。

■娘より主人が感動 −出産に立ち会った主人と娘−■  前田 智子
 「お母さん、赤ちゃん産まれるところ、私もみたい」。38週に入ったころ突然8歳の娘が言い出しました。“冗談やろ”と一度は思いましたが、何だか嬉しい気にもなりました。

 娘が出産に立ち会う場合は分娩室に保護者も一緒に入らないといけないということなのですが、主人は全くその気がなく、たぶん無理だと思っていました。そこで娘には産まれるときが日曜で、お父さんがお休みだったら、一緒に立ち会いしてもいいよ、と言っていました。

 娘が何故、出産に興味を持ったのか? それは小学2年生の時、学校で性教育を受けたのですが、同じ頃、私が8年も離れて妊娠し、娘には待ちに待ったきょうだいが出来たということで、何かと興味を持ち、学習に身が入ったようで、“羊水”“へその緒”“胎盤”の話など、娘から次々難しい言葉が出てきていました。その頃から出産に立ち会いたいと思っていたみたいです。

 出産は娘が望んだ通り、学校が休みの日になりました。娘は期待で一杯、主人は気持ちの準備が出来ていなかったと思います。午前3時、父娘は分娩室に入って来て、36分に長男が誕生しました。産まれた瞬間二人は“すごいなー”“うーん”と言い合い、娘より主人のほうが感動が大きいようでした。

 分娩室で2時間安静にしている時、看護婦さんが赤ちゃんを連れてきてくれて、「家族四人で居てください」と言われたとき、“あー、今日から家族四人なんだナ”と主人が言い、三人は待ち望んだ新しい家族をそれぞれの思いで見つめていました。

 (その後……娘は助産婦さんになりたいと言いだしましたが“一杯勉強せんなんで”と言うと、“やっぱ、無理?”と言って笑いました。でも、大変良い経験をさせることが出来たと喜んでいます。娘に一言。“出産に立ち会ってくれてありがとう”。)

あ と が き
当院の職員の子を預かる事業所内託児室の庭(370uほど)の芝生が雨に逢って緑が美しくなりました。
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