No,38 平成11年5月14日(金)

■自然と人工・旧と新■  総 務 松井 正
 去年の5月の連休にはキャンピング車に乗って一人で鳥取県の大山(だいせん)に向かった。麓に着いた時には日はとっぷり暮れ、山道を上り始めたら風雨、6合目位に車を止め、車中で一泊した。高い山中の真夜中の嵐がどんなに不気味かは体験しないと分からない。しかも車は他にいない。ひどく揺れる車の中で、深夜、チビチビやりながら本を読んだりするのは野趣があって日常では味わえない。車という文明の利器に守られてはいるがとっぷり自然の中にいるという実感があった。明くる朝も雨が収まらず、濃霧のため登山は諦め大山の高山植物の探索会に加わった。

 今年の連休は、今度は家内と二人で四国へ向かった。コースは舞鶴自動車道から入り、明石から淡路島を南へ縦断、大鳴門橋から四国に入り、徳島からは四国を西へ横断、松山を廻って、今治−尾道間の5月1日に開通したばかりの「しまなみ海道」を北上、岡山を通り、山陽、中国、舞鶴の各自動車道を経て帰ってきた。途中で車中2泊したが、意外にゆっくりできなかったのは連休中ゆえ、自分も車の洪水の一滴になってしまったからだった。高速料金は合計約2万円かかった。

 こうして振り返って見ると、今回はいわば正に人工の世界を通り抜けた感があった。(それにしても、明石海峡大橋を初めとして、「しまなみ海道」の架橋の数々は建造物というより芸術品の美しさを備えていた。)
自然への回帰が言われるようになって、何かと開発が非難されるようになっているが、やたら箱物(公営建造物)を建てるのは如何なものかとは思うが、開発の中でも「橋」はいいものだ。

 私は山も海も大好きで、一般の人よりはそれらを十分楽しんでいるが、人工物も大好きで、道具や電機いじりは下手の横好きである。

 少年時代に読んだSF小説で、街角に電話BOXのような病気診断BOXがあって、そこに入ってまあ何か線を繋いだりカメラに向かったりしなければならないが、そんな操作をすると立ちどころに病気を診断してくれて、薬まで出てくる、というのがあったが、こんな人工は今の我々には味気なさ過ぎる。(こうなると当院もかなり打撃を食うことになる。)そこまでは要らないが、自然を如何に残こし、人工を如何に加えるか、旧と新を如何に調和させるか、そこの所をいつも考えていたい。

 去年の山中の嵐を思い浮かべながら、本四架橋の釣り橋の渡り口で散々待たされながら、はるか彼方につづく幹線と垂直支線のロープの一部の狂いもない幾何学的美しさが眼に焼き付いている。

■ナースキャップの“重み”■ 看護婦 渋谷 美夜子
 私がこちらにお世話になってから、と言うより、看護学校を卒業してから、まだ2ケ月足らずです。一日、一日があっという間に過ぎて行く今日この頃です。

 看護婦一年生の何も分からない私に、スタッフのひとりひとりがとても親切に優しくご指導下さり、学生の頃の実習とは違い、毎日楽しく、お仕事させて頂いています。

 さて、一年半ほど前の載帽式の朝、担任の先生が「ナースキャップの重さは50gです。しかし、その“重み”は?」と言われたことを今でも忘れてはいません。たかが50gのナースキャップですが、私はそのキャップの重みは患者さんの命の重みだと毎朝キャップをかぶる度に思ってきました。これからもその気持ちを忘れることなく、一日でも早く立派な看護婦になれるよう努力していかなければ、と思っております。

 折角すてきな皆様にお逢いすることができ、一緒にお仕事をさせて頂いている訳ですから、一生懸命勉強させて頂くつもりで毎日頑張りますので、宜しくご指導のほど、お願い申し上げます。
〔編者註〕筆者は30ン歳で一念発起、看護婦になろうと学校を受験、60人の内、30人が合格。その一人に入り、この3月、ついに資格を得られすぐ当院で勤務されることになった方です。

あ と が き
1)この紙面に書き忘れていましたが、去年の秋頃から、小児科待合室で、政治、鳴門で見た 経済、スポーツなどの多彩なニュースをプラズマディスプレイでご覧頂いております。評価は如何でしょうか。

2)さらに、婦人科待合室には3月から、総合待合室の4分の1ほどの大きさですが、水槽を設置し、生きた深海魚をご覧に頂いております。
動物セラピーと言うほどでもないですが、これでんで頂ければ幸いです。
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