桜前線も過ぎ去り、ようやく心地よい日々が続きますが、夜は急に冷え込んだりすることがありますので、ご用心。
ところで、来年、西暦2000年になると、下2桁で年を決めているコンピュータは1900年と勘違いして、誤作動を起こすのではないかと、いろいろ不安が伝えられていますが、どうなることやら。日付で働くコンピュータをご使用の方はご用心。
さて、今回は子宮筋腫について、お話しましょう。
昭和50年代に埼玉の富士見台病院で乱療があり、多くの子宮が摘出され、社会問題にもなり、産婦人科学会では、子宮筋腫の手術は極力しない方向で治療にあたり、どうしても必要な時のみに行なうように、と通達を出しました。どうしても必要な手術とは1つ、過多月経により貧血がひどく薬物療法をしても抑制が出来ない場合。2つ、生理痛がきつく、薬物療法をしても改善せず、生活に支障をきたす場合。3つ、薬物療法をすると肝機能障害を引き起こす場合、などです。しかし、やはり第一選択は筋腫がどんなに大きくても先ず薬物療法(温存療法)を試みるべきだと私は思っています。
そもそも子宮筋腫が癌になることなどは極めてまれで、癌は最初から癌ですし、筋腫はあくまで筋腫なのです。とくに子宮腺筋症(子宮内膜症)は閉経とともに消滅してしまいますから、閉経までは時々薬物療法をしていけば問題ないわけです。
いろいろな方法を用いても症状が抵抗する時に初めて手術療法がなされるわけです。
但し、手術はとくに婦人科医にとっては最もポピュラーなものですから、医者自身にとっては、恐れることではないのですが、手術した結果、将来的にイレウス(腸閉塞)などの合併症などが起こる可能性が増えるので本来とても慎重でなければならないし、丁寧な手術が望まれるところです。
先ず第一はお薬で、どうしても駄目な時に初めて手術を考えればよいのです。子宮筋腫だと聞いて、すぐに手術と言う話にはご用心を!
最後に話変わりますが、先日、当院の職員の初々(ういうい)しく、かわいらしい花嫁姿を見て感激しました。
職場でのかいがいしい姿と打って変わっていました。お二人の幸せを心よりお祈りします。 |
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