No,27 平成10年6月10日(水)

■失われし未来を求む■  院長 中山 茂樹
 今年は早くも梅雨入りし、湿度や不快指数の高い日々が続いています。こんな時の風邪はこじらせやすく、長引きしやすいので、くれぐれもご用心下さい。

 このところ逆境にめげず、誠と静でありたいと考関えています。院の外の出来事に対し、天網恢恢疎(てんもうかいかい、そ)にして漏らさず〔老子〕(天の網目はあらくても邪悪は必ずひっかかる)の言葉を信じる心境でいます。

 さて、今日、サッカーのワールドカップが開会します。日本はぜひ予選を突破して欲しいものです。さすれば長く応援出来るのですが、睡眠不足が気になります。

 当院の敵はウイルス感染と環境ホルモン(ダイオキシン等)です。胎児のウイルス感染は種々のトラブルを引き起こします。医療レベルで分かっているものはほんの一部です。まだまだ未知の部分が多く、その都度、考え対処するので精一杯です。

 単に風邪ですと一にうがい、二にうがいがよろしい。次に規則正しい生活とよく寝ること。三番目にバランスよく食べること。ここで環境ホルモンを含んだ食べ物ですと免疫機構の脆弱化、抵抗力の低下を引き起こし、ウイルス感染、細菌感染で侵襲されやすいのです。将来の生活を安全なものにするためダイオキシン等環境ホルモンの発生を抑える工夫が今必要なのです。

 さて、当院も乳房マッサージを本格的に始めます。マッサージは脂肪細胞を破壊するため母乳中のダイオキシンが増えるかも知れないという危惧もありますが、新生児の免疫力上昇のために、両刃の剣の感がありますが、取り組みたいと思っています。

 また、最近新聞を賑わせている非配偶者間体外受精は、これからもさらに論議が交わされるでしょうが、私が昭和61年に体外受精を始めた頃は、非配偶者間などは考えもしなかった事です。医学の進歩はすざましいものだと思いますが、倫理についての 論議も十分にされていかなければならないと思っています。

 昨今、このことに限らず、人道、倫理についての対話がなされないように思えてなりません。院に関わる出来事もその辺にあるように思っています。

■娘が立ち会った出産■  小浜市遠敷 増田 綾子
  「あっ、ちんちんついとる。」 生まれ出てきた赤ちゃんを見て、喜び叫んだ娘(小学1年)の言葉。

 陣痛室で、ますます痛みが強まってくる私の姿を見て時折うつむいていましたが、やっと間に合った主人との分娩室では、院長先生や助産婦さんに質問をしたり、血だらけの赤ちゃんをかわいい、抱きたいと言い、怖さで逃げ出さないだろうかという心配をよそに、落ち着いた様子の娘でした。

 いつか体験してほしい出産の一部始終を見せ、生命の誕生の素晴らしさや命の尊さを強く感じることができ、また女同士の私と娘の距離が近くなった日となりました。

 出産の後に娘から「あかちゃんげんきですか?おかあさん、ヒヒフーとがんばったからうまれたんだよ。おかあさん、えらかったでしょ? わたしはおとこのこになればよかった。だってあかちゃんうむのえらいから。でもあかちゃんがうまれるってうれしいね。」という手紙と私を褒めた賞状が届きました。

 3ケ月が過ぎた今、弟の面倒をみる娘は何か一回り大きくなったような気がします。

 最後に、立ち会いを勧めて下さり、娘の緊張を和わらげて、とてもよい雰囲気を作って下さった、そして、それらの忙しさを感じさせず、家庭的で安心できる分娩の介助をして下さったスタッフの皆様に感謝申し上げます。

中山クリニック ミニギャラリー 情報
 5月末まで展示しておりました 杉谷長明氏 の小浜市、高浜町の祭礼の写真は終わりまして、6月からは 東野時夫氏 の油絵に代わりました。氏は高校教諭を退職されてから初めて絵筆を執られて10年、ひたすら静物、風景の具象画に親しんでおられます。お待ちの時間にどうぞごゆっくりご鑑賞下さい。
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