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No,24 平成10年3月10日火)
■続 ケニアは今■ 非常勤医師(産婦人科) K・M
宮川先生は日本から派遣の医療奉仕団の一員として、昨年2度、計4ケ月近くに及ぶアフリカのケニア共和国での支援活動をして来られましたが、この2月末に3度目の出発をされました。今回は1ケ月ほどになる予定ということです。当紙の前号に続いて“ケニアの今”を先生自身の目で見たままで綴って頂きました。
(首都ナイロビに初めて足を踏み入れて)3、4週間目にやっと、調査対象地域からナイロビへ帰る途中で、ナクル国立公園へ立ち寄る余裕ができました。初めての余暇で数時間の休憩を楽しみました。
国立公園は広く、車で廻るのですが、一通り廻るのに数時間掛かります。途中で休憩したりすると丸一日楽しめます。それ以上楽しみたい人のために、公園の中に宿泊施設まであります。自然の中にいるキリン、縞馬、サイ、フラミンゴなど様々な動物、鳥を見ることができ、初めて、アフリカにいるんだという実感を持ちました。
同じ実感は、最初に地方の民家にホームステイさせてもらった時にもありました。ナイロビや地方でも、外国人が多く泊まるようなホテルでは特別にケニアという感じはしません。民家ではまず家が違います。土の壁でトタン屋根、仕切りも殆んどなく、電気もガスもナシ。当然、夜は真っ暗です。わずかにランプの光で食事をし、おしゃべりしてから眠ります。夜空の星の多さに感動しました。
食事は大概、自分の畑や家畜から得られたもので、トウモロコシの粉を練ったウガリと呼ばれる主食と、鶏の肉、多少の野菜など。鶏は私たちに対する特別のご馳走だったに違いありません。ケニア人は手で食べることが多いようです。私たちも少し慣れてきてからは彼らと一緒に食事をする時は真似をして素手で食べました。慣れると食べやすいものです。
私たちが珍しいのか、子供たちがどこからともなく集まってきて恥ずかしそうに、でも、とても興味があるといった雰囲気で私たちを見ます。ホームステイさせてもらった家の主婦が、“歌を歌いなさい”と言ったらしく、私たちの前で歌ってくれました。
この家では看護婦であるこの主婦と、小学校の先生をしている夫、それに子供が4・5人いました。子供のうち2人はよその子をメイドとして使っているようでした。周辺の家庭より教育も現金収入もある感じでしたが、男は何もせず、椅子に座ってしゃべったりラジオを聞いたりするだけです。子供も含め女がこまごまと食事の準備、後片づけお湯の準備など、休む暇もなく働いていました。
■私の子宝は10年目■ 小浜市鯉川 M・K
結婚10年目にしてやっと子宝を授かりました。先生からは帝王切開になるかも知れないとか、赤ちゃんがだいぶ下がっているからいつ出てくるか分からないとか、予定日までもっても2000gもないかも知れないなど、いろいろ威かされながら1月24日、普通分娩で2108gの男の子を出産することができました。
結婚後10年になろうとしてから不妊治療で中山先生のもとに通い初めましたが、気持ちのどこかで“もうどうでもいいわ”“みんな自然に出来るのになんでこんなことしなくてはいけないの”と思っていました。
私は女として生まれて結婚して妻や嫁になったけれど、母親にはなれないんだ、きっとこれが私の運命なんだからとあきらめというか開き直りの気持ちになっていたので、先生から妊娠していると告げられた時も嬉しいと言うよりも本当に信じてもいいのだろうかという気持ちでした。
当院に来ると不妊治療で通っていられる方をお見かけしますが、先生から「これは難しい」とか「時間がかかる」と言われても、あきらめずに治療をつづけられればきっと赤ちゃんは出来ると思います。決してあきらめないで、望みを捨てないで欲しいと思います。
エコーで赤ちゃんの心音を聞いた時、形や指が見えた時の感動。赤ちゃんが産声を上げたときの喜び。やっと保育器から出られて、初めておっぱいを吸ってくれた時の痛さと嬉しさ。
この妊娠・出産を通して私だけでなく我が家にとっても大きな喜びと感動を頂きました。家族の皆が待ちに待った赤ちゃんですからこの子は我が家の宝物です。この宝物を授けてくださった先生は、感謝しても感謝しきれない神様みたいな存在です。(チョットオーバーかな)それから12月からの入院で大変お世話になった看護婦さんやスタッフの方々にも感謝でいっぱいです。
さて、これから始まる育児は私が思い描いている様な楽しいほのぼのとした世界だけでなく、イライラしたりカッとなることもたくさんあると思います。そんな時、今の何に対しても素直にありがたいと感謝し、嬉しいと思えるこの気持ちを大切にして、思い出したいと思っています。
お 知 ら せ
1)1月22日から当院総合待合室ミニギャラリィで展示しています日本画の 「中森あゆみ」さんが、4月から、現 住所の名田庄村口坂本 常英寺 と 小浜市東市場の清水さん宅で「あぐり児童絵画教室」を開かれます。
お問合せは 常英寺 0770−67−2095へ。
2)当紙1月10日号で、院長からのメッセージとしてダイオキシンの怖さが語られましたが、当院はダイオキシン退治に努力します。みなさんもご協力下さい。